茨城県高校入試理科

中学の理科は主に物理分野、化学分野、生物分野、地学分野の4つの分野に分けることができます。茨城県では4つの分野からまんべんなく出題されているため理科での得点アップに大切なことは各分野を苦手分野がないように広く理解する必要があります。そうすると勉強しなければならない内容が多くなってしまいますが難問が多いわけではなく教科書の内容中心ですのでまずは基本的な問題からとりかかるようにしていきましょう。

 

それではもう少し詳しくみていきます。大問1は上記の分野からそれぞれ1問ずつ計4問×3点で構成されている形が毎年続いています。内容的には基本事項を記号で答える問題なので教科書の内容をしっかりと理解していれば大丈夫です。受験生全体の正答率をみても7割、8割を超える問題も出題されているので基本的な問題を解けるようにしておきましょう。近年では寒冷前線でできる積乱雲の名称を記号で答えたり有性生殖を説明した文を記号で答えたりする問題が出題されており、2つとも正答率が8割を超える問題でした。もちろん教科書にも記載されているので教科書の内容を覚えて問題を解けるようにしておくことはとても重要になってきます。

 

大問2は大問1と同じように4つの各分野から出題されることは変わらないのですが記号を答える問題に加え、記述式で答える問題が出題されます。例えばこの部分は何というか名称を答えさせる問題や、文中に当てはまる語句を答えさせる問題が出題されます。さらに計算問題の問題も出題されます。密度や濃度の計算、湿度の計算、電流の計算や速さの計算などが出題されます。しかし大問1同様基本的な問題が出題されるのでまずは教科書に記載されている語句や公式を覚えることが大切です。配点は10問×2点、1問×4点で24点分となっています。

 

大問3から大問6までは各4分野から1題ずつそれぞれ出題されます。大問ごとに5問から7問ほど出題され、配点は各16点満点となります。

 

物理分野では大きく分けると①身近な物理現象②電流とその利用③運動とエネルギーの3つの単元に分けられます。出題頻度が高い単元をみていくと光・音の性質や電流、仕事とエネルギーが出題されています。光が折れ曲がって進む光の屈折という現象や像のでき方、電流回路でオームの法則を利用し電流の大きさを求める、運動エネルギーと位置エネルギーの移り変わりについてなどが問われます。この単元では作図の問題が出題されることも特徴の1つです。例えば光の進む作図だと像のでき方によって書き方のパターンが決まっています。実像ができるときに3種類、虚像ができるときに1種類、像ができないときに1種類、全部で5パターンの作図をかけるようにしておくと良いです。このようにしっかりとパターン別に整理しておく対策がとても効果的です。また比例の関係を考えてグラフを作図する問題も頻出ですので書けるようにしておきましょう。

 

化学分野では①物質のすがた②化学変化と原子・分子③化学変化とイオンの単元に分けられます。なかでも化学変化やイオンがよく出題されています。この単元では原子記号が出てくることが特徴で、化学式や化学反応式を覚えなければなりません。記号が苦手な生徒さんは大変かもしれませんが毎年出題されるような単元なので覚えて損はないはずです。酸化銀の分解の化学反応式、塩酸と水酸化ナトリウムの中和の化学反応式、マグネシウムの化合の化学反応式が近年では出題されているのでまずはこの3つを覚えておきましょう。さらに実験が多いのもこの分野の特徴です。実験の結果や実験を行う際の注意点を記述でかけるように実験ごとにまとめておきましょう。

 

生物分野では①植物の生活と種類②動物の生活と生物の進化③生命のつながりの単元に分けられます。この分野は他の分野に比べて得意にしている生徒さんが多い印象があります。その分受験生の正答率も高い分野になるので取りこぼしがないように勉強しておきたい、そんな分野です。しかし生物の名前やつくりの名称、語句がたくさん出てくるので暗記することは多くなります。単元では植物のつくりやはたらき、ヒトの体、生物のふえ方がよく出題されています。ここ数年で出題された問題をみてみると背骨をもたない無セキツイ動物や外骨格のはたらきについて、イカのつくり、だ液のはららき、葉脈の名称、植物の分類、被子植物と裸子植物、無性生殖と有性生殖についてなどが問われています。

 

地学分野では①大地の変化②気象のしくみと天気の変化③地球と宇宙の単元に分けられます。火山と地層や天気の変化、太陽と地球がよく出題されています。この分野は図から読み取ったりする問題も多く、天気予報でよくみかける天気図や気温と飽和水蒸気量の関係から湿度を読み取る問題、ボーリング調査の結果を表した柱状図、地震の揺れを表した記録図などの図表から読み取り問題をときますので、それぞれの図表の見方・使い方を覚えておきましょう。他には低気圧や高気圧、前線の説明についてや地層が同時代にできたことを調べる際の目印となるかぎ層について、岩石の種類と特徴、星座の見え方・動き方についてどの方向に動いて見えるかなどが問われています。

 

全体的に出題の傾向をみても最初に書かせていただいたようにやはり3年間分の内容がまんべんなく出題されている印象でした。3年間分の内容は相当な量になります。毎年出題されるところはしっかりとポイントを絞り、さらに量をこなしていくには1、2年生のうちからコツコツと対策をしておくことが大切です。

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