茨城県高校入試社会
今回は社会です。茨城県の社会は大問1から大問4で構成されており大問1では地理・歴史・公民の3分野から複合問題が出題されており、大問2では公民分野、大問3では地理分野、大問4では歴史分野とバランスよく出題されていることが特徴になります。難易度としては理科と同様に教科書レベルのことが中心に問われているので基本的問題を解けるようにしておくことが大切になります。また記述式で答える問題も多く出題されています。人物名や名称・語句や資料から読み取り説明する問題など書く訓練も必要とされるもの特徴です。
それではもう少し詳しくみていきます。大問1は地理・歴史・公民の3分野複合問題になっています。問題数は年度によって多少違いますが8問から9問それぞれの分野からバランスよく出題され満点で20点分です。当てはまる記号を選ぶ問題に加え当てはまる語句や名称を答える問題も問われています。しかし内容的には受験生全体の正答率をみても7割を超える問題も出題されているのでまずは教科書に記載されている基本的な問題を解けるようにしておくことがポイントです。例えば日本に鉄砲が伝わった頃の出来事を記号で答える歴史の問題、商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れである流通という語句を答える公民の問題は2つとも正答率が7割を超える問題でした。記述だった流通という語句も教科書では黒字になっているのでそのような語句をしっかりと書けるように訓練するようにしましょう。
大問2は公民分野からの出題です。問題数はおよそ9問出題され20点満点です。他の分野に比べると配点が少し低めです。日本の政治や経済について中心に出題されており、憲法や法律について、エネルギーや環境問題などもよく出題されています。茨城県の過去問を分野別に数年分分析してみるとこの公民分野が地理分野、歴史分野と比べ正答率が高くなっています。そのためこの分野は特に教科書レベルの基本的な問題をおさえておくことが大切です。今年の問題をみてみると政治からは参議院議員選挙や三権分立のしくみが、経済からは日本銀行の役割や消費者の権利が出題されていました。また地理や歴史の知識と融合された形式で出題されたりもします。例えば頻出な単元として政治の選挙があげられます。その中の選挙権は歴史でも出てくるので現在の選挙権と関連させて覚えておきましょう。実際に茨城県で出題された問題では選挙権の年齢についての変化を問われるような形式で出題されていました。この問いのなかでは近年18歳以上に引き下げられたことを数字で書く問題も問われており、日ごろからニュースなどに興味をもち時事を把握しておくこともとても重要になる分野です。
大問3は地理分野からの出題です。問題数はおよそ14問出題され30点満点です。地理分野から毎年出題されているのが地形図の読み取りです。地形図の縮尺と実際の距離から地図上で何㎝になるか計算する問題や、地形図から読み取れることを記号で答える問題が出題されています。この地形図をみるときに大切なことは地図記号、縮尺、等高線です。これらを押さえればしっかりと読み取れますので地理が苦手な人も出題率の高い地形図から受験勉強をはじめてみることをおすすめします。また図表・資料から読み取る問題も毎年出題されています。資料をみて選択肢から正しいものを選ぶ形式でよく問われています。資料の量も多いのですばやく正確に読み取れるように訓練しておきましょう。さらに時差の問題も頻出な単元です。日本時刻で何時なので世界の指定場所の日時を計算する問題は計算の方法を理解し求められるようにしておきたい問題です。他には日本の県名・県庁所在地、気候、産業などを覚えたりすることも重要です。
大問4は歴史分野からの出題です。問題数はこちらもおよそ14問出題され30点満点です。歴史分野は古代から現代まで広く出題されているので歴史の流れをつかんでおくことが大切です。ここで毎年出題されているのが年代の並び替えです。次の選択肢を年代の古い順に並びかえて書く問題や年代の古い順に並べられたいくつかの選択肢から選んだりする形式で出題されています。今年も問題をみると出題されており、イギリスについて日本との関係に関する選択肢の出来事を並び替える問題でした。並び替えの問題を苦手にしている生徒さんも多いのではないでしょうか。歴史の流れをつかむためにまずは歴史の出来事をそれぞれの時代ごとにノートにまとめてみると良いでしょう。
全体的に出題の傾向をみてみると記述式の問題が多い印象です。ここ数年でみても55%、51%、41%、48%、53%とおよそ半分が記述での問題として出題されています。図表や資料から読み取り書く訓練、説明から名称や語句を書く訓練など書くことがとても重要です。また以前に比べ少しずつ問題数も多くなっている傾向なので時間をはかりながらの訓練も有効です。