千葉県高校入試理科の出題傾向
今回は千葉県の理科です。まずは前期・後期の構成をみてみると
前期 試験時間50分 問題数36問
大問1 小問
大問2から大問9 物理分野、化学分野、生物分野、地学分野から2題ずつ出題されます。
後期 試験時間40分 問題数32問
大問1から大問8 物理分野、化学分野、生物分野、地学分野から2題ずつ出題されます。
茨城県の傾向と同じように4つの分野からまんべんなく出題されていますのでこちらも苦手分野がないように広く学習しておく必要があります。1題ずつだった茨城県と比べそれぞれの分野から2単元出題されるのでより幅広く、すべての単元を学習するつもりで取り組みましょう。
具体的にみていきましょう。
大問1 小問 問題数4問 各3点 12点満点
上記の分野からそれぞれ1問ずつ計4問出題されています。内容的には基本問題中心なので教科書の内容をしっかりと理解しておくことが大切です。形式は茨城県の大問1に非常に似ているのですが異なる点としては記号を選択する問題と合わせて答えになる語句を記述で答える問題もここで出題されることです。記述式ではありますがもちろん基本的な問題を解けていれば大丈夫です。近年の過去問では赤血球のなかに含まれる「ヘモグロビン」という成分を答える問題や抵抗と電圧から流れる電流の大きさを求める問題、コイルに電流が流れる「電磁誘導」という現象を答える問題が出題されており正答率が7割を超えている問題も出題されています。
大問2から大問9は各4分野から2題ずつの出題になります。前期は大問ごとに4問ずつ2点から4点の問題でそれぞれ10点もしくは12点の満点になります。後期は大問1から大問8で大問ごとに3問から5問ずつ3点から4点の配分になっておりそれぞれ12点もしくは13点の満点になります。ここからは各分野べつにみていきます。
物理分野
①身近な物理現象
②電流とその利用
③運動とエネルギー
それぞれの単元をもう少し細かく過去問をみてみると、[➀力と圧力]、[②電流]、[③エネルギー]の単元がここ数年で毎年出題される傾向です。今年の入試では、➀ばねののびがばねにはたらく力の大きさに比例する「フックの法則」を書く問題や水圧の大きさについて、②電流回路でオームの法則を利用し抵抗の大きさを求める問題、③位置エネルギーと運動エネルギーの関係を表すグラフを選ぶ問題が問われました。オームの法則でも出ましたが計算問題も出題されます。他には圧力の計算や仕事の計算、速さの計算も出題されるので公式を理解し解けるようにしておきましょう。
化学分野
①物質の姿
②化学変化と原子・分子
③化学変化とイオン
化学分野では、[②化学変化と物質の質量]、[③水溶液とイオン]の単元がここ数年毎年出題されている単元です。②は化学変化前と後での物質の質量の変化を表やグラフを利用し計算して求める問題が頻出で、③では塩酸と塩化銅水溶液の電気分解や電池についてよく出題されています。今年は、②質量保存の法則について説明した文を選ぶ問題や炭酸水素ナトリウムに塩酸を加えたときの質量について、③塩酸に亜鉛版と銅板をいれた電池について出題されています。また化学式、化学反応式、イオン式を書く問題もよくでるので覚えておきましょう。質量の計算では表やグラフからの読み取り大切なので、できるようにしておきましょう。
生物分野
①植物の生活と種類
②動物の生活と生物の進化
③生命のつながり
生物分野では、[➀植物のつくりとはたらき]の単元が頻出です。今年は植物のはたらきが出題され、光合成によってつくられた「デンプン」について、植物の光合成・呼吸での酸素・二酸化炭素の増減について問われています。覚えることが多い単元ですがまずは、つくりの名称を覚えましょう。花のつくりや葉・茎・根のつくりは図を使いそれぞれの名称を覚えてさらに光合成などどんなはたらきをしているのか理解できると良いです。
地学分野
①大地の変化
②気象のしくみと天気の変化
③地球と宇宙
地学分野では、[③天体の動きと地球、太陽系]の単元が頻出です。今年は前期・後期でこの地球と宇宙が出題されていました。前期では金星の観察、後期では太陽の動きについて問われており、金星を観察したときどの時間帯にどの方位の空に見えたか答える問題、金星の見かけの形を選ぶ問題、太陽の1日の動きである「日周運動」を選ぶ問題などが出題されています。どれもよく出題される問題なので覚えておきましょう。地球の動き、太陽の動きなど天体の動きをどのように動いているのか、動いてみえるのかをイメージできるようにすると良いです。