2021年(令和3年)茨城県高校入試数学対策まとめ
今回は2021年(令和3年)の茨城県高校入試に向けて2020年(令和2年)の茨城県高校入試数学の出題からどのように対策をしたらよいのかということをここでは述べていこうと思います。
まず、2020年(令和2年)の茨城県高校入試数学の出題傾向は大きく変わりました。今までは、大問数は8題で大問1と2は5問ずつの合計10問の基礎計算問題で配点が一問4点で合計40点の問題でした。そして、数学の苦手な生徒さんはここで計算問題だけでも解いて40点を最低取るという方法で何とか入試をクリアしていくことができました。しかし、2020年(令和2年)の高校入試では、出題が大きく変わりました。
どのように変わったかというとまず大問数が8から6に減りました。しかし、出題の問題文が全体的に長くなりました。そのため、問題数も減ったのですが、一問一問の配点が大きくなりより一問一問が大切となってきました。また、大問1と2にあった基礎的な計算問題は一切出題されていませんでした。これは、今まで計算問題だけで何とか入試を乗り越えるようにしようということができなくなったということになります。
茨城県のこうした出題傾向の変化はおそらく20年振り以上の大変化です。また、こうした出題傾向の変化は実は大学入試改革と連動をしているものです。そのため、しばらくの間は適切な難易度設定のための模索期間に入ると思われます。多く出題傾向を変えたため2021年(令和3年)の受験者はこれに対応する学習をしなくてはなりません。では、具体的にはどのような出題が為されたのでしょうか。具体的に見ていきます。
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大問1からご覧の通り単純な計算問題はなくなりました。問題文をきちんと読んで考えて解かなくては答えは出せません。国語の能力がない生徒さんは解答にたどりつけないです。しかし、難易度はそれほど高くはありません。むしろかなり優しい問題が出題されました。よく読んで内容を理解さえできれば、問題はありません。また特徴としては作図問題が今年から本格的に出題されるようになりました。昨年から作図問題が出題されるようになりましたが、今年から本格的にコンパスを用いた作図問題が出題されるようになりました。作図問題はこれから全国的に出題されていくパターンの問題ですが、これは、実はあまり問題集では対策されているものがありません。しかし、名学館ではいち早くこれらの過去問を既に集めて専用トレーニング問題集を作成しており今回の入試においてはそれがかなり役立ったようです。作図は問題集がないのでなかなか対策がしにくいのですが、いろいろな問題を解きさえすれば、少々計算が苦手でも解けるようになる問題です。これを日本全国の高校入試から集めて一つの問題集に名学館ではしました。このため、きちんとトレーニングさえすれば、解けるようになる問題集を作り上げました。解答も動画で解説をしているので、一人で学習を進めることも可能です。作図は中学1年生の学習範囲ですから、これから中学2年生以降の実力テストでも出題されるようになります。ぜひぜひ、トレーニングをして得点に結び付けてください。続いて大問2です。
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大問2は小門集合問題で式の証明、連立方程式の利用、関数のグラフ問題、確率の問題と4分野から出題されていました。配点も各問題6点と大きい配点です。ここら辺の問題をきちんと落としのないように取らないと合格には至りません。小問ですからどれも難易度は高くはないのですが、どうしてもこうした問題が苦手な生徒さんはかなりの練習をしないと得点は難しいと思います。次は大問3です。
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大問3は図形の証明問題を中心として角度を求めたり線分の長さを求めたりする問題が出題されました。図形の総合的な学力が必要です。ここら辺からはある程度の数学の学力がないと得点ができないようになっています。いわゆる上位の高校に合格するためにはどうしても解けなくてはならない問題となります。しかし、ここら辺の問題は実は茨城県は以前からずっと出題をしていたので極端に難しい問題ではなく、これまで通りの対策で十分に得点ができる内容であり難易度でした。次は大問4です。
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大問4は関数の文章問題が出題されていました。これは教科書や参考書でも最近よく見かけるタイプの問題が今回は出題されていました。中学校での学習がきちんとなされていれば、それほど難しい問題ではありませんでした。こちらは日常の学校での学習をきちんとしていれば、それほど難しい問題ではありません。ぜひしっかりと日頃の学習をして入試でも点数にしたいところです。次は大問5です。
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大問5は資料の整理の分野からの出題でした。茨城県は資料の読み取りや活用の問題に力を入れている傾向がここ数年顕著です。ここの問題は今後変更なく出題される可能性があります。一番対策がしやすい分野でもあります。過去問をやりこむことで得点に結び付けることができます。次は大問6です。
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大問6は例年通り空間図形の問題が出題されました。茨城県は伝統的にこの空間図形の問題を最後に出題するのが常でした。今年も最後に空間図形の問題が出題されました。上位の生徒さんにとっては今まで通りの対策で全く問題はありません。むしろ、文章は長くなりましたが、問題の難易度は全体としてはやや下がっているので、もともと数学が得意な生徒さんにとっては逆に点が取りやすい年だったかもしれません。逆に、数学が苦手でなかなか点数が取れない生徒さんは寄り苦労する年だったかもしれません。対策としてはきちんと問題文を読んで解いていくという基本をできるだけきちんとやるということしかありません。今からしっかりと学習をする必要があります。